育成を目指す人材像
帰結に対応した理由に納得するまで考える
学修とは、既知の?帰結?を覚えることではありません。その帰結が生じる?理由?を基礎までさかのぼって調べ、?納得?できるまで考えることが、大学における学修です。学生にとっては未知への挑戦にほかならず、これは研究に向かう態度と同じです。学修と研究を通じ、帰結に対応した理由に納得するまで考えることを次々と繰り返すことにより、論理的思考力と自己学修能力を備えた人材を育てることが本学の教育目標です。
工学がもたらす社会変革への想像力と責任感を
工学の成果は直接的に社会変革を導きます。工学を学ぶ人には、この変革による将来を想像し、それに責任を持つことが求められます。そのためには専門分野の学びを深めるだけでなく、多分野の工学知識や数学?物理学?化学など自然科学の知識、人文?社会科学の知識、国際語としての英語力などを磨く必要があります。本学では、充実した専門基礎科目や4年間継続する教養科目?外国語科目の履修を通じ、人間?社会に対する想像力や責任感を備えた技術者?研究者を育てます。
豊田工業大学 学長 保立 和夫
(1)「ハイブリッド型履修」から「分野別履修」へ
「機械システム」「電子情報」「物質工学」分野を横断し学んだ上で、分野別履修による深い専門性を身につけます。
学部1年次 | 先端工学基礎学科に入学。外国語?教養科目と工学基礎科目(数学?物理?化学?情報)を中心に学びます。 |
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学部2年次 | 引き続き基礎力を養いつつ各専門分野の基幹となる専門基礎科目を分野横断的に学びます。後期に3分野から1つを主専攻分野として選択します。 |
学部3年次 | 副専攻として他分野の履修も可能です。 |
学部4年次 | 研究室に所属し、主専攻分野を中心に学びます。 |
(2)「創造性開発」のためのプログラム
自ら課題を発見し、解決策を考え、行動に移す力を育成するプログラムです。
本学では次の5つの要素の総合力を「創造性」ととらえ、誰にでも備わっているこれらの力を引き出します。
豊かな知識?技術力
充分に学習を積み重ね、広く深い知識や実践力を持つことが、創造への確かな土台となります。
知的好奇心
研究対象への強い興味や関心、あるいはそれを考えること自体に喜びを感じる資質が、創造には欠かせません。また、エンジニアとして社会貢献したいという思いも創造への意欲につながります。
チャレンジ精神
チャレンジとは「新しいモノや仕組みをつくりたい」という意欲。 失敗を恐れず、新しい経験や工夫に果敢に挑戦する志が大切です。
コミュニケーション力
工学における課題解決は、一人の力では達成できません。パートナーとともに課題解決へと進む力が求められます。
応用力
持っている知識を新しい視点から見つめ直し、そこにつながりを見つけ出す力を育みます。また、アイデアや試行をもとに新たなものを生み出す力を伸ばします。
学部1年次の目標 | モノづくりや工夫することの面白さに気づく。 |
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学部2年次の目標 | 学問とのつながりを強く意識して創作活動を行う。 |
学部3年次の目標 | 専門的知識を生かし、他分野の学生と協力して創造的活動を行工う。 |
学部4年次の目標 | 研究室で独創的な先端研究を行う。 |
工学スタートアップセミナー必修
学長による工学への導入講義やキャリアプランセミナーなど、大学で工学を学ぶための心構えをつくるとともに、最先端の研究紹介や研究室訪問を通じて、工学に対するモチベーションを高めます。また、自由な発想とシンプルなモノづくりで寮生活の課題をチームで解決する「TTIイノベーションコンテスト」を実施します。
工学リテラシー1?2必修
代表的な加工法を自ら体験的に学習するとともに、観察やデータ計測を行い、エンジニアリング?サイエンスの糸口をつかみます。
学外実習Ⅰ必修
産業活動が集約されている企業の生産現場でモノづくりを体験し、工業のありのままの姿や、工学とのかかわり合いを学びます。また、社会人としてのマナー?規律?倫理、協調性とコミュニケーション能力の足彩胜负彩性を理解し、技術者としての自己を確立する動機づけとします。
工学基礎実験1?2必修
機械システム、電子情報、物質工学など、工学一般の分野に共通する基礎的実験を行い、学習内容の理解を深めます。また、実験の進め方、計測方法、測定誤差、データの整理法などを学ぶとともに、実験結果のまとめ方、報告書のまとめ方などを習得します。
現代工学概論1?2必修
各分野の最前線で活躍する一流講師を企業から招聘し、「先端開発テーマ」「学生時代に取り組むべき課題」「企業はどのような人材を求めているか」などについて理解を深めます。
創造性開発実習1?2
「電気自動車コース」と「ロボットコース(マイクロマウス)」が開設されており、知識?技術をモノづくりに展開するプロセスを学びます。各コースで求められる基本的な知識?技術を習得するとともに、実際に設計、製作、評価を行います。
工学実験(分野別)必修
専門分野ごとに関連するテーマの実験を行い、講義の内容と対応する実際の現象を体験します。また、実際に得られた現象を観察?整理?考察することにより、幅広い工学の知識を身につけます。
技術開発特論必修
技術開発に必要な方法論(文献?特許検索、アイデア創出法)を学ぶとともに、グループワークによる技術提案書の作成?発表を通じて、プレゼンテーション能力を養います。こうしたスキルを身につけることで、学外実習Ⅱ?Ⅲにもスムーズに参加することができます。
創造性開発セミナー必修
機械システム、電子情報、物質工学など、個々の科目を通じて学んできたさまざまな分野をつなげる総合的応用力を育み、実践力を強化します。一人ひとりが自分の専門性を発揮しながら、チームでモノづくりに取り組みます。
学外実習Ⅱ?Ⅲ必修
企業の開発や生産管理の現場において技術的課題を解決する過程を体験し、自身の工学知識を問題解決に応用することを学びます。この過程を通じ、工学知識と創造性を高め、解析力、判断力および問題解決能力を磨きます。併せてコミュニケーション能力の大切さを学び、より高度な学修への動機づけとします。
ソフトウェア実験
学部1?2年次に学んだ情報工学?情報科学に関する知識を応用し、特定の目的を持って動作する実用的ソフトウェアを作成します。与えられた課題を満足する仕様に設計し、その仕様を満たすソフトウェアを自ら創意工夫しながら実装する経験を積みます。
物質工学実験
物質工学分野の専門科目に関するテーマの実験を行い、講義の内容と対応する実際の現象を体験します。実験目的を理解し、自ら実験の方策を考え、実際の現象を観察?整理?考察することにより、幅広い工学知識を学びます。
卒業研究1?2必修
卒業研究では、配属された研究室において先端研究に取り組み、創造への意欲と能力に磨きをかけます。
人口知能?深層学習実験
学んできた情報工学?情報科学に関する理解を基盤として、プログラミング技術に関する演習を行います。さらに、与えられた知的な問題解決課題に取り組み、人工知能?深層学習ソフトウェアを設計?作成?動作検証?説明するための基本的な能力を身に着けます。
データサイエンス実践集中演習
モノづくり現場における問題解決に必要な「データの理解と前処理」「機械学習モデル構築?評価?改善」「結果報告」を実践します。
(3)教養教育の充実
自ら考え、それを表現できる能力(文章力、プレゼンテーション力)を養成するほか、経済学、哲学、国際関係、技術者倫理など、技術者?研究者にとって必要な知識を習得します。
(4)英語教育の充実
英語Step-UP Point制度(E-SUP)のもとで英語に慣れ親しみ、英語力を伸ばします。
海外英語演習への参加、国際交流の拠点iPlazaでのイベント参加などを通じて英語を継続的に学習します。
(5)導入教育?キャリア教育の充実
トヨタ自動車のエ場見学など学外実習の導入教育として事前講義を実施しています。
また、創造性開発プログラム科目「現代工学概論」は産学連携によるキャリア教育科目として開講しています。